2012年3月5日月曜日

造る者の魂




最近のニュースの話し。

オーストラリアでは中国製のサーフボードがよく売れているらしい。

値段はオーストラリア製の3分の1程度。

サーフィンを始める人や、始めたばかりの初心者には手頃な値段だそうだ。

サーフボードは職人がオーダーを受けてから、一本ずつ自分の工房で手作りするものだとば

かり思っていたが、中国製のは工場で大量生産されているために安くできるが、品質は落ち

るという近頃よく聞く話しだった。

何人かの職人がインタビューに答えていて、最初は自分と一緒くらい若いのが「本当にサー

フィンが好きでやってる人なら、中国製のは使わないと思うよ。」と、いかにも職人らしい

啖呵を切っていて、どこの国でもこのタイプの人間はかっこいいなぁなんて思いながら聞い

ていた。

そして、この後もう一人のベテラン職人が言ったことが印象的だった。

その人は中国人が質の悪い板を作り続けるならば、自分達の技術を中国に教えなければなら

ないと言うのである。
 
彼はサーフィンを通じて、自然というものに人間や生物が生かされていること、さらに人は

まわりの仲間や家族という他のひとに支えられて生きているということを教えられたのだろ

うと想像するのに充分すぎる一言だった。

東京という場所に慣れてくると、こんな風にハッとさせられることがある。

自分の役目は、この感覚をできるだけまわりの人に伝えられるようにすることだと思う。

自分がベテラン職人くらいの年になったとき、周囲の人たちにいいエナジーを感じれたら最

高だ。

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